コレステロールは低いほうがいいと思っていたら大間違い!
コレステロールを気にして卵を食べないのも間違い。
コレステロールを下げる薬で健康が奪われる前に、正しい知識で健康を守ってくださいね。
コレステロールってそもそも何?
コレステロールは、脂肪の一種で、食べ物から取る以外に、体内でも作られていることはあまり知られていません。
肝臓でコレステロールは作られていて、その量は体内の全体量の70〜80%。
ほとんど体内で作られているんですね。
コレステロールは健康に必須
コレステロールを取ると動脈硬化になるから、とにかく少ないほうがいいと思っていたら大変なことになります!
コレステロールは、逆に、動物に必須の重要な脂肪だからです。
人間の体は細胞の集まりでできていますが、この細胞は細胞膜という膜で囲まれています。
細胞膜は細胞を守りつつ、栄養などを細胞に送る大事な役割があるのですが、この細胞膜の主要材料がコレステロールです。
脳や神経で情報を素早く伝えるサポートもしています。
その他に、50種類以上のホルモンの原料にもなっています。
食べ物でコレステロール値は変わらない
今まで、コレステロール=悪ということで卵は1日2つまで、としていた人も多いかもしれません。
でも、さっき言ったとおりコレステロールの70〜80%は体で作られているので食べ物の影響はほとんどありません。
卵を食べ過ぎた場合は、体が、コレステロールを体内で作る量を減らして全体量を一定にしてくれるからなんですね。
そんなこともあって、アメリカでは2013年に、日本では2015年に厚生労働省がコレステロールの摂取上限値を撤廃したのですが、あまり知られていない気がしますね。。
善玉も悪玉も同じコレステロール
コレステロールは、善玉、悪玉と呼ばれて、善玉をできるだけとって、悪玉は取らないように、減らすように、と思いがちですが、実は、善玉も悪玉も同じコレステロールだったりします。
コレステロールはアブラなので、水分の多い血液の中をうまく移動できないんです。
そこで肝臓がコレステロールをタンパク質でつつんで、送り出してくれます。
この、出かけて行ったタンパク質に包まれているコレステロールを「悪玉コレステロール(LDL)」
役割が終わって、余分なコレステロールを回収しながら肝臓に帰ってきたタンパク質に残っているコレステロールを「善玉コレステロール(HDL)」
と呼んでいるだけで、同じコレステロールなんです。
体中で大事な役割をするコレステロールだけど、うまく戻って来れないで血液にたまると動脈硬化が起こりやすいので、肝臓から出ていく時には悪玉と呼ばれてるんですね。
反対に、帰ってきたタンパク質にコレステロールが沢山あれば、血管に残してこなかった量が多い、といえるので善玉と呼んでいるだけなんです。
悪玉が多いほうが長生きというデータも
コレステロールは、細胞を作ったり脳を働かせたり、沢山大事な働きをしているんだから、肝臓から出かけて行くタンパク質に入っているコレステロールの量(悪玉コレステロール)は多いほうがいいんじゃないの?
という気もします。
実際、1987年〜2006年の神奈川県伊勢原市の調査では、悪玉コレステロール(LDL)の高い人のほうが、免疫力が高くて、総死亡率が低かったそうです。
反対に「コレステロール降下剤を飲むと炎症が治って死亡率が下がる」という定説を強化するための実験をしたところ、感染症が続出し、肝臓や腎臓の機能が低下して、死亡率も上がったため、実験は中止になったようです。
2018年4月には現在の要治療の異常値が正常値に
もともとコレステロールの基準値が低すぎると、各学会で議論があったようで、とうとう2018年4月には基準値が引き上げられました。
悪玉コレステロールの基準値の変化 (mg/dl)
旧基準 (男女、年齢関係なく共通)
60〜119
新基準
男性
72~178
女性
30~44歳:61~152
45~64歳:73~183
65~80歳:84~190
今まで、180以上は、異常!要治療!のF判定だった値が正常値に入っているのが驚きです。