苦悩編
患部から液体がすごい出る
手術後は、患部から沢山、滲出液(しんしゅつえき)という、血液のような薄赤い液体が、たっぷり出続けます。
滲出液は、傷口を治してくれる大事な成分ですが、分厚いガーゼ4枚を重ねて、パンツの中に入れていても、すぐべしょべしょになるので、こまめなガーゼ交換が必要になります。
起きたら病院のベッドにシミを作ってた時もありました。
看護師さん、ごめんなさい….。
お家でも沢山浸出液がでる場合は、生理用ナプキンをガーゼと併用するのが病院からのオススメです。
沢山種類があるのですが、コチラの小さくて薄いものが特にオススメです。
夜中にうめき声が聞こえる
入院中は、傷が痛くて眠りも浅くなり、夜中に痛くて目が覚めることもしばしば。
すると暗闇の中、向かいのベッドから
「痛い…痛い…」
とうめき声がいつも聞こえていました。
僕は痔瘻(じろう)の手術で、チン様の袋が一部切り取られちゃいましたが、酷い人はお尻ごとゴッソリ取られたりしているので、うつ伏せでしか寝られず、想像を絶する苦痛を味わってたりします。
同じ病室に2人ほど、そういう患者さんがいました。
でも、僕も痛くて苦しんでいるので、うめき声を聞くと、怖いというより
「苦しいのは僕だけじゃないんだ..。」
と仲間意識がわいてきて、ちょっと心強かったです。
もっと重い症状の人がかわいそう
病室はカーテンで区切られているだけなので、看護師さんとの会話が丸聞こえです。
重度の痔瘻(じろう)手術を受けたと思われる人達は、鎮痛剤足してくれ、とか、座れないとか、ウミが出てるのでトイレでよく洗ってくださいとか、同僚はもっと酷くて人工肛門になったとか、日夜聞こえてきます。
僕はチン様の袋が少し切られた程度で済んで良かった….と、心から思いました。
排便後の鈍痛
手術後2週間以上経っても、排便時は痛いですが、特に最初の頃は、排便後の鈍痛が1時間ぐらい続いて苦しみます。
肛門の奥の方から、テンポが速い除夜の鐘のように、ズーンズーンズーンズーン、と鈍痛が続いて、何もできなくなります。
ベッドにうずくまって、静かに嵐が去るのを待つのみです。
定期的に痛みが襲う
排便後の鈍痛以外にも、唐突にズーーン、ズーーーンと痛みが襲ってきたりします。
退院して最初の頃は、もうしゃらくさいので、ずっとベッドでうずくまっていました。
夜中に鈍痛で目覚める
夜に飲んだ鎮痛剤が、朝4時ぐらいで切れるのか、鈍痛で目が覚めて、暗闇でうんうんとうなることになります。
キツイので、1日3回もらっていた鎮痛剤を、夜中24時にも飲んで、何とか早朝もカバーするようにしていたので、最初の頃は薬漬けになります。
やっぱり尿が出ない
人間はお尻の穴が痛いと尿が出ない、という事に気が付きました。
尿意はちゃんとあっても、穴からズーンズーンと鐘がなっている間は、尿を出す筋肉が機能しなくなるのです。
おしっこをしてすっきりしてから寝たいのに、大体、お尻の穴がズキズキ言ってるので、尿意を抱えたまま寝なきゃいけなくて、地味に苦しいです。
切り傷に鎮痛剤があまり効かない
穴の奥から響く鈍痛には、病院からもらった鎮痛剤がよく効くのですが、メスが入った部分の切り傷にはあまり効かず、根性で我慢するしかなくて、これはホント辛いです。
ウォシュレット激痛
患部を清潔に保つために、ウォシュレットをできるだけ使うよう指導されますが、メスが入っているので、もちろん、激痛です…。
歯を食いしばって水を当てます。
ドーナツクッションがあっても座れない
痔には、真ん中に穴が空いているドーナツクッションがあれば安心、と思われていますが、手術後初期は、お尻の肉が押されるだけでも響いて穴が痛むので座れません..。
ベッドで横になって漫画を読むしか出来ないマンになります。
希望編
アイマスクと耳栓必須
病院は22:00に消灯しますが、夜中でも看護師さんが患者さんの患部を見るために電気を点けたりしますし、一日中ナースコールも鳴り響いているので、アイマスクと耳栓はお忘れなく!
アイマスクは、休息専用ウェアを販売しているベネックスのものが、頭がスッキリして凄く休まるのでオススメです。
病院のご飯は、味付けちゃんとしてるし、肉も出て、とても美味しい
病院のご飯は、味が薄くて美味しくない、という噂を聞いていましたが、実際は、すこーーし薄くけど、ちゃんと味付けがされていて、肉もよく出て、とても美味しかったです。
洗い物をしなくてもいいので、とても快適でした。
看護師さんは若くてみんなニコニコしてて、エネルギーもらえる
毎日誰かしら夜通し看病をしてくれる看護師さん達。
それなのに、いつも明るく笑顔で輝いていて、感謝しかなかったです。
病室の他の人の話がいちいち興味深い
病室は、カーテン1枚でしか区切られていないので、患者さんと看護師さんの会話は丸聞こえです。
どんな病状なのか、家族はどうしてるのか、仕事は何なのか。
病状が僕より重い人が多かったので、聞こえてくる内容が知らないことばかりで、興味深かったです。
お腹を開く手術をする場合、ヘソのゴマを掃除するらしく、隣のヘルニア手術をする予定の患者さんは、ヘソに油を垂らして洗ってもらっているみたいでした。
ググってみたら、ヘソに細菌が溜まりやすいからだそうです。
手術自体は全然痛くない
麻酔がしっかり効くので、お尻の穴をものすごく広げられて、電気メスでバチバチ切り取られていても、完全に何も感じません。
とても穏やかな時間です。
僕は痔瘻(じろう)の手術だったので麻酔が強めだったようで、痔だけの手術を受けた方の話を聞いたら、いじいじされている感触は軽くあったそうです。
排便後の鈍痛は、鎮痛剤を飲んで1時間後に排便することで威力を80%ぐらい抑えられる
排便後の鈍痛は、手術後の辛いことランキング、堂々一位の苦痛です。
でも途中で気づいたのですが、鎮痛剤を飲んでから1時間ぐらい待ってすれば、かなり痛みが抑えられます。
これ、すごい大事なテクです。ホント。
鈍痛は、腰にタオルをおいたり、足の薬指、小指をもんだりするとかなり楽
痛くて痛くて、どうにか楽にできないかともがいた結果、
- 腰にタオルをおいて仰向けで寝る
- 足の薬指/小指を揉む
で、鈍痛をかなり抑えられることが分かりました。
タオルは重心を背中に移せるので楽になります。
足の指は、たまたま見つけたのですが、調べてみたら腸のツボでした。
42度のお湯をお尻にかけると、鎮痛剤より効く
入院中に
「お湯につかって患部を暖めると、早く治りますよ」
と指導されるのですが、熱いシャワーがホント想像以上に有効です。
排便後の地獄のような痛みも、あっついシャワーをお尻に浴びせると、ス〜〜〜ッと痛みが引いて、天国が訪れます。
術後10日目で大分楽になってきて、17日目には鎮痛剤無しで大丈夫になった
退院してすぐは、患部がめちゃくちゃ痛くて鎮痛剤を飲みまくるものの、数日経っても傷はあまり変わらないし、患部からはピンクの液がダグダグ出続けるし、と少し不安になります。
でも、10日目ぐらいから急速に楽になってきて、17日目には、ドーナツクッションなしでもある程度は座れるようになってきて、鎮痛剤も必要がなくなりました。
ガーゼは20cm四方のやつ箱買いがオススメ
手術をした傷から、滲出液(しんしゅつえき)という体を治す液が2週間ぐらいは、ドボドボでてくるので、大量のガーゼが必要になります。
ネットでみると色々なサイズのガーゼがあるのですが、20cm四方のサイズを買っておくと便利です。
患部に当てるのはもちろん、傷が治るまではティッシュペーパーの利用は禁止されるので、ウンチをふくのにも丁度いいからです。
僕は痔瘻(じろう)の手術を受けたのですが、痔だけの手術を受けた方と仲良くなって、こまめに経過を共有してみた所、痔の手術でも完全に同じ経過だったので、痔の手術を受ける予定の方もぜひ参考にしてみてください。